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neutron tokyo 1F main gallery + 2F salon Exhibition

「 屹立する白 」 任田進一 (写真 / 映像)
2012年2月1日 (水) ~ 19日 (日) [ 会期中 2月6日, 13日 月曜閉廊 ]

Statement

作品ステートメント / 展示概要

屹立する白 | 任田 進一

2002年に球体の土を水中に沈め、その崩壊過程を見せるインスタレーションを発表しました。予想できない形態の変化というテーマがこの作品から生まれ、それを起点に、私は物質が水中で崩壊するシーンの撮影を始めます。2009年頃からは、水中に土を固めず直接注入するようになりました。原形への興味が消え、変化という現象そのものへ関心が移ったからです。以来そこで生まれる形、それらが孕むイメージの変遷を彷徨うことが、制作の基本スタンスになり、2011年の冬に発表した作品は、水中に雲のごとく漂う土煙のシリーズ写真となりました。

展示が終了して約1ヶ月後、東日本大震災が起こりました。自身の無力を実感しつつ、再び制作を始めたのですが「土」という素材は、生命の終焉の姿を連想させ、しばらく離れたい思いがあり、新しい素材を、出来れば生命の始まりに近いモチーフはないかと考え「乳」つまりはミルクを試そうと思うに至りました。「土と乳」は、お互いに相反する要素を多分に備えており、新しい展開が期待できたのです。水中での粒子の動きと液体の動きは異なる部分が多く、私は液体が見せる流動現象のダイナミズムに揉まれ続けました。記述を拒むかのようなその曲線の絡みは、どこか人智を超えた制御不能な猛威を思わせるようで、立ち上るミルクが示す獰猛な動きを前にした時、今回の「屹立する白」というタイトルが浮かびました。

刻一刻と変化する流動現象は、その姿を留めません。そこには 固定という概念がなく、柔軟な変化があるだけです。その絶え間ない動きに必然性を見い出したのが、鴨長明の方丈記や福岡伸一の動的平衡だと私は理解しています。自分自身がその流動現象の一端であることを踏まえると、 生命の成立条件のひとつであろう、存在を維持するための変化について、思いを馳せずにはいられません。不変性は、その存在の強度を高めますが、それはある意味停滞であり、完全な停滞とは「死」そのものです。逆に「生」 とは動き続けること、呼吸を繰り返し細胞が入れ替わり常に流動していることが、つまりは生きていることです。全てが「死」への流れに在るならば、その潮流に唯一抵抗できる力が「生」であると言えるでしょう。その拮抗状態に興味があります。そこに死と対峙する生としての形態、つまり「無」から「有」への転成を現すフォルムがあると私は思うのです。

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