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Review
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Exhibition Review
大舩 真言 展 「Prism」 【開催を終えての再考論評】

2009年1月10日(土)~2月1日(日) 1F main + 2F salon & 3F gallery
文 / 小金 沢智 (neutron tokyo) 写真 / 表 恒匡

 展覧会名の「Prism」からも明らかなように、neutron tokyoのオープニングを飾った大舩真言展のテーマは光である。元々個人の住居として使われていた建物をリノベーションした空間は、一階から三階まで、 所々に外光が差し込む大きな窓や設えが施されている。光/照明の微細な強弱や見る角度によってその色合いを大きく変化させる作品作りに加え、それゆえに空 間構成をひときわ重要視する大舩が、その構造に着目するのは当然だろう。作品保護のために二階・三階のロールカーテンを一部降ろしたものの、基本的には外 から差し込む光を積極的に作品に取り込む形。想定通り、作品は天候や時間によってその表情を時に劇的に変化させることになった。

  

  

  しかしそうした鑑賞の仕方は、大舩の作品がそういうものである、ということを知らない鑑賞者にとっては困難な要求だったかもしれない。たとえば、入り口 すぐの部屋に展示した《far present》(90×130cm岩絵具、顔料・和紙2003年)は根気よく注視し続ければそれが単なる黒い作品でないことはわかるものの、極度に落と された照明の中でそれを見極めることは容易ではなかった。あるいは、元々住居と言いながらも白い内壁のホワイトキューブにきわめて近い空間で大舩の作品 が、白や青を中心としたその色合いも相成って、一見一体化しすぎていたという点も指摘できる。


  

空間との調和は大舩の展示を特徴づけるものであり、それは住居と美術の融合を目指したneutron tokyoでの狙いでもあるのだが、大舩の作品をそれまで知らず、かつ鑑賞に時間の余裕がない限りにおいて、その真意を知ることはやはり難しかっただろう。


  

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