「 Tangent point 0 」 鮫島ゆい (平面)
2012年2月22日 (水) ~ 3月11日 (日) [ 会期中 2月27日, 3月5日 月曜閉廊 ]
作品ステートメント / 展示概要
私が作品を制作するにあたり、常に根底には“ 構成” という意識がある。
幼少の頃から切ったり貼ったりしてものをつくる事が好きだった私は、様々なものを組み合わせ再構成する技法、コラージュを用いて作品を制作するようになっていった。
当初は印刷物などの既存のイメージを貼り込むコラージュを行っていたが、現在は 貼る 行為を 描く 行為へ置き換え、イメージレイヤーを重ねるような感覚で描いている。
『 有 と 無 の 接 点 』 を描く
私の作品には、感性で描くイメージと理性で描くイメージが共存している。
作品は自分自身であり、肉体(感性、偶発的、自然物的イメージ)と精神(理性、意図的、デザイン・装飾的イメージ)により成り立っている。
前者は形を持ち、積み重ねた時間により変化していく肉体であり、自然物のように偶発的に生まれる 『有』 の部分である。
一方後者は形を持たず、掴むことの出来ない心・精神である 『無』 の部分であり、自身の思いや願いなどを、デザイン・装飾をするように意図的に描いている。
断片的な記憶として蓄積される 『有』 と 『無』 の像は、脳内で互いに組み合わさり、再構成される事でイメージとなる。
モチーフをコラージュ変換することで、その中立である 『有と無の接点』 にあるイメージを作り出す事が出来ると考えている。
二極のイメージは互いに独立したものであるが、双方があって初めて一つの作品という 『命』 が生まれるといえる。
全てのものは、相反する二極により形づくられており、それらは絶妙なバランスで保たれている。
どちらかが極めて充実すると、どちらかが極めて空虚になる。
表面的に見えている姿の、そのものが構成されている内側を考察する。
そこにものごとの本質がある。
肉体と精神があり、命がある。感性と理性があり、知性がある。過去と未来があり、今がある。
作品を通じて鑑賞者に語りかける事が出来ればと思う。
鮫島 ゆい |