「 House of DNA 」 森太三・入谷葉子 (平面 / 立体 / インスタレーション他)
2012年6月20日 (水) ~ 7月8日 (日) [ 会期中 6月25日, 7月2日 月曜閉廊 ]
入谷葉子 展示ステートメント
「garden 6」 2012 / 1060×755mm / screen print, color pencil
「 時間による、 空間の共有 」
場所や物を通して、過去と、その過去から見た未来との間を行ったり来たりする。そんな画面を作りたいと思っています。
その方法の一つとしてよく選択するモチーフが、ご先祖さんです。
祖母や曾祖母のアルバムをよく見てみると、彼女たちの生きた時代に記録された場所や物が、今、私の生きている時代にまできちんと残っていることに気がつきます。彼女達と私は、沢山の場所や物を共有しています。
そんな場所や物に対して、私はいろんな形で接することができます。
彼女達の生きた空間の残り香をただただ感じるだけでなく、彼女達が思いもよらないかたちでその場所や物に働きかけることだってできる。共有している場所や物が、ご先祖さんの生きた過去と、私の生きている今とを繋いでくれるのだと思います。
ただ、場所や物によって過去に思いを馳せ、過去と繋がることができたとしても、実際に過去に帰り、過去を生身で体験することはできません。それゆえ、絶望感を覚えはしますが、しかし、帰れないからこそ、愛着や執着も湧いてきます。
もう帰れない場所へのホームシック。
そういうモチーフが大好物です。
入谷 葉子 |