稲富 淳輔 展 「アンジェリコの鍵盤」
2009年4月15日(水)~5月10日(日) [ 会期終了 ]
【略歴】
1981 大阪生まれ
2007 京都造形芸術大学大学院修士課程修了
京都市に築窯
【主な個展】
2009 『アンジェリコの鍵盤』 / neutron tokyo 3F mini gallery(東京)
【主なグループ展・公募展・その他】
2003 日本画・陶芸二人展(ギャラリー・マロニエ / 京都)
2007 『混沌から躍り出る星たち』(スパイラルガーデン / 東京)
2008 『不器用』展(ギャラリーRAKU / 京都)
僕は「うつわ」を創る。
象徴としての「うつわ」。
「うつわ」とは「とどめる」ということ。
僕は天の下に生まれ、生きている。
そして死に、煙になり、天になる。
天とは何だろうか。
僕を、僕たらしめてくれる「過去」であり
その僕が生きる「今」。
僕は天の中にとどまり、
僕の中にも天はとどまる。
「うつわ」を創る、ということは
僕の視線が捉えているそのことを
可視、可触化することであり
つまり自画像を描くということになるのだろう。
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僕は今回の作品タイトルを「アンジェリコの鍵盤」と名付けた。
「アンジェリコ」とはフィレンツェはサンマルコ寺院にいた、僧であり絵描きでもあったフラ・アンジェリコのこと。
サンマルコ寺院でその絵に出会い、「何か」に惹き付けられ、自分の中に先天的に在る同位の「何か」を視た。
当時は、それが何なのかわからなかったが、それは「僕を僕足らしめている過去」のことであった。絵や陶器を見て、涙が出たり膝が震えたりした幾度かの体験も、そんなところに起因があったのだろうと思う。
僕の「うつわ」は「今」、そういうものを内包し得るのか?
それを知りたいと思う。