廣瀬 育子 展 「piercing liquid」
2010年4月7日(水)~25日(日) [ 会期終了 ]
【略歴】
1974 京都生まれ
1997 立命館大学文学部哲学科心理学専攻卒業
1998 NICOLE 入社 NICOLE CLUB ショップスタッフ
1999 同退職、日本写真芸術専門学校二部入学
森近真氏のアシスタントを経てフリー。
現在東京で活動中。
【主な展示】
2000 Gay Walker( ゲイカルチャーHP) フォトコンテスト最優秀賞
2001 卒展「パーティー2000」(ドラァグクイーンとクラブカルチャー)
ドイフォトギャラリー賞
2003 個展「Japan」 / neutron B1 gallery(京都)
2004 「Free Art Free 2004」 / ギャラリーGAN(東京)
2006 「photo MIAMI」出品 from volf(contemporary art gallery,Italy)
2007 二人展「break mirror , white star」 / gallery ひなぎく(荻窪)
※ジュエリーアーティストhot rose とのコラボレーション
「piercing liquid」
いつも撮りに行きたいところが心の中にいくつかあって、次はここと決まっているときもあるし、そのいくつかから考えて決めるときもある。
東京湾の埋め立て地に工場や倉庫がたくさんある。雑踏からだんだんと遠ざかり人影が少なくなり広い敷地の同じような倉庫が立ち並ぶところに来ると、町からはじかれたようでこんなところが あるなんてみんなは知っているのだろうか、という気持ちになる。撮りに行くところは東京湾岸を 点で結ぶように決まった。
目的地近くの駅に降りたらひたすら歩く。もう歩けないと思うまで歩く。「人影が少ない」ところへ行きたかったのかもしれない。でもやっぱり人と会ったら、人が撮りたくなった。
物を撮る、のはまだ作品にしたことがなかった。透明のものが撮りたいと思った。二度と同じ形はできないのがいいと思い、割ることにした。割れたガラスは鋭利だが、断面に光が当たると水のようにも見える。ガラスは液体だそうだ。水のように流動的なものだけが液体ではないらしい。
意識と無意識が交錯してひとつのところへ流れる。
目の前で形を成すものが、はっきりと伝えられるのだろうか。
その輪郭の強さは触れる前に信じてもよいのだろうか。