松井 沙都子 展 「a mimic」
2010年7月21日(水)~8月12日(木) [ 会期終了 ]
【略歴】
1981 大阪府出身
2004 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
2006 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了
【個展】
2002 京都市立芸術大学 小ギャラリー(京都)
2007 「THOM」 (gallery wks. / 大阪)
2008 ドローイング展 (石田大成社ICB / 京都)
「クロージング」 (gallery Den 58 / 大阪)
2009 「a ghost」 (neutron kyoto / 京都)
2009 ~ 2010 「松井 沙都子 展」 (Five mansion gallery deem / 神戸)
【グループ展】
2002 「real vision / real space」 (京都市立芸術大学 / 京都)
2003 「quattoro.4」 (京都市立芸術大学 芸大ギャラリー / 京都)
「…について」 (YEBISU ART LABO / 名古屋)
2004 「主と客」 (同時代ギャラリー / 京都)
2007 「太秦仕事」 (制作スペースでのグループ展 / 京都)
2008 「トゥールビヨン」 (O gallery eyes / 大阪)
「太秦出張仕事」 (アートスペース虹 / 京都)
2009 「S.S.S.」 (gallery Den / 大阪)
【イベント】
2006年10月より 太秦にある共同制作スペースで、メンバーとともに自主ゼミ兼お茶会である『ウズカフェ』を不定期に開催。
2008年4月 ウズカフェ 一日限りの展覧会
2009年2月 ウズカフェ(「4つのアトリエ」展に参加、カフェ運営、展覧会)
【レビュー】
・「美術手帖」 2007年6月号 ギャラリーレビュー 文章:小吹隆文
アーティストステイトメント
身体的なものとして作品を作りたいと考えています。
私の考えている身体とは、未分化で不完全な、成熟した何かにはなりきらない不安定な状態にあります。
自身の身体感覚とも重なりますが、不完全なまま強制的に成熟した何かにさせられた、不良品のような奇形的な存在として、現代の人間の身体をとらえています。
作品においても、不安定さを保ったまま、整った姿に近づける完成を目指します。
例えば平面作品においては、「絵」であり、かつ「単なる面」でもある。
線描で描かれたものは「形態」であり、「何でもなく引かれた線」でもある。
このように、どちらでもないというよりは、どちらでもあると言える、交雑種的なあり方を目指しています。
不完全な交雑種は、美しくあったとしても、不安定で気味の悪いものだと思います。
2010年5月
【今回の個展のテーマ】
今回のドローイングは、即興で描いた不定形の線描に、なにか具体的に見える形態を無理矢理に与えたものです。
たとえば、たまたま落ちていた石に動物の形を見たり、内装の板の木目に人面を見つけたりすることが似ています。
その結果、有機的で奇形的なものが見えてきますが、描くべくして描いた結果でななく、その形態自体は無意味です。
そのドローイングは即興で画面の中に描かれたものではなく、下絵をスキャン、加工したものを出力、マスキングした上、計画的に絵の具で描き出します。
「何も描いていない」ものを素材に、工業製品的にこぎれいな平面作品として提示します。
私は、既存の何かになりきらず不完全なまま、極端に整った状態で完成させる、ということを、制作において考えています。